皆様に安心して水道水を飲用または使用していただくため、水道水が満たすべき水質基準は水道法により厳しく定められています。
また、この水質基準を満たしているかどうかを確認する水質検査においては、その採水地点、検査項目、検査頻度などを適正に設定し管理実行することはもとより、その検査結果を維持管理に反映させなければなりません。
このような水質管理の適正化と透明性を確保するため、岡山県広域水道企業団では平成22年度の水質検査計画を策定、公表するとともに、この計画に基づいて行った水質検査の結果を今後の維持管理に反映させていきます。
各浄水場の入口(着水井など)、出口(浄水池)及び構成団体との受け渡し地点(供給地点)など、それぞれの検査項目や目的に応じた適正な採水地点を選定し、水質検査を実施します。
水質基準項目、水質管理目標設定項目、クリプトスポリジウム等原虫類及びその指標菌など、水道法や関連通知(以下「法令等」という。ただし、「水道におけるクリプトスポリジウム等対策指針」については、特に「クリプト対策指針」という。)で定められた項目のほか、浄水処理や水道施設の維持管理上必要となる項目について、水質検査を実施します。
法令等で定められた過去3年間の最大値の判定結果を基に、各水源や施設の実情を考慮して回数の減や独自に強化した検査を加えるなどして定めた検査頻度で、水質検査を実施します。
区分 | 内容 |
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水道の種別 | 水道用水供給事業 |
平成22年度供給地点(注1) | 48地点 |
一日最大給水量(注2) | 96,649m3 |
一日平均給水量(注2) | 91,132m3 |
(注1)平成22年度末における予定です
(注2)平成21年4月〜12月の実績に基づいています
区分 | 内容 |
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浄水場 | 岡山浄水場 |
所在地 | 岡山市東区寺山 |
原水の種類 | 表流水(吉井川) |
浄水方式 |
以下、必要に応じて
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浄水処理能力(注1) | 90,734m3/日 |
(注1)平成22年度末における予定です
(注2)試験導入中です
区分 | 内容 | |
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浄水場 | 津山第一浄水場 | 津山第二浄水場 |
所在地 | 津山市小田中 | 津山市草加部 |
原水の種類 | 表流水(吉井川) | 表流水(吉井川支流加茂川) |
浄水方式 |
以下、必要に応じて
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以下、必要に応じて
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浄水処理能力(注1) | 17,500m3/日 | 9,500m3/日 |
(注1)平成22年度末における予定です
(注2)試験導入中です
区分 | 内容 |
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浄水場 | 総社浄水場 |
所在地 | 総社市井尻野 |
原水の種類 | 伏流水(高梁川) |
浄水方式 |
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浄水処理能力(注) | 23,548m3/日 |
(注)平成22年度末における予定です
区分 | 内容 |
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浄水場 | 岡山浄水場 |
水源及び浄水処理過程での留意事項 |
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送水過程での留意事項 | トリハロメタン等 消毒副生成物の増加 |
水質管理上留意すべき検査項目 |
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「クリプト対策指針」に基づくリスクレベル | レベル4 |
区分 | 内容 | |
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浄水場 | 津山第一浄水場 | 津山第二浄水場 |
水源及び浄水処理過程での留意事項 |
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送水過程での留意事項 | トリハロメタン等 消毒副生成物の増加 | トリハロメタン等 消毒副生成物の増加 |
水質管理上留意すべき検査項目 |
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「クリプト対策指針」に基づくリスクレベル | レベル4 | レベル4 |
区分 | 内容 |
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浄水場 | 総社浄水場 |
水源及び浄水処理過程での留意事項 |
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送水過程での留意事項 | トリハロメタン等 消毒副生成物の増加 |
水質管理上留意すべき検査項目 |
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「クリプト対策指針」に基づくリスクレベル | レベル3 |
浄水場での処理が適切に行われ、供給する水が水質基準に適合した安全なものであることを確認するため、浄水場の入口で原水、出口で浄水の採水を行います。
また、浄水場から供給地点までの送水過程における影響も確認するため、各供給地点でも採水を行います。なお、隣接する施設では共通の蛇口で採水し検査結果を共有します。詳細につきましては別表1(PDF:63KB)を参照してください。
水源の種類や浄水処理方法の違いによる各浄水場の留意点は前述のとおりですが、個々の実情により対策が異なっており、また、水質検査結果にもそれぞれの特徴がでています。
現在、実施中の主な対策は以下のとおりです。
まず、岡山浄水場、津山第一浄水場及び津山第二浄水場では表流水を取水して凝集処理を行っていますが、降雨に伴う濁度上昇などの急激、かつ、一時的な原水水質変化が起こることがあります。また、降雪の影響により春先にアルカリ成分濃度が低下するなど、季節ごとの長期的な原水水質変化が起こり凝集処理に影響を与えることもあります。
そこで、それぞれの状況に即応した薬品注入率管理を行うことで、凝集処理の適正化を図っています。
また、岡山浄水場と津山第一浄水場では夏場を中心に、必要に応じて粉末活性炭処理を試験的に行っています。これは、原水中の有機物に起因するトリハロメタン等消毒副生成物の増加や、水源に発生した生物が産出するかび臭物質等による異臭味問題の発生のおそれがあるためで、その原因物質を除去することを目的としています。
次に、総社浄水場では、伏流水を取水し、微生物による浄化作用を利用する緩速ろ過方式で処理を行っていますが、原水水質や生物の状態を定期的に検査し、常に最良の状態で浄水処理ができるようにしています。
その他、すべての浄水場で衛生上の措置(残留塩素管理)やクリプトスポリジウム等原虫類対策(濁度管理など)の徹底を図っています。さらに、臭素酸対策として高純度消毒剤(またはその原料)を使用したり、塩素酸対策として消毒剤管理(保存期間短縮のための発注管理や分解抑制のための温度管理など)を行うなど、薬品資材の選択や運用にも留意しています。
これらの成果により、過去3年間(平成18〜20年度)の検査結果はいずれも水質基準に適合したものでありました(別表2(PDF:138KB)を参照)。このことは、すべての浄水場系統で適切な維持管理ができていることの裏付けともなっています。
ただし、平成22年度からカドミウム及びその化合物の基準値が強化されるなど、水質基準は年々厳しくなっていますので、これまで以上に適切な浄水処理と維持管理に努め、引き続き、水質管理の徹底を図っていくことにしています。
なお、活性炭処理については、現在、試験的に行っていますが、原水中の有機物やかび臭の濃度には、水温のほか河川水質や降水量などの複数の因子が関与していることを踏まえ、試験設備の評価や最適化を行うために平成22年度も検証を継続する予定です。
浄水(浄水場出口、各供給地点など)の検査項目と検査頻度は、過去の検査結果を基準値と照らし合わせて決定します。しかし、原水(浄水場入口)については評価基準がありませんので、企業団では各浄水場の状況から判断を行っています。
判断にあたっては、有害物質の流入の可能性の有無と各浄水場での除去性の有無が問題となります。
まず、各浄水場ともに水源直上域には有害物質の排出源となりうる工場等が立地していないことから、有害物質が継続的に混入する可能性は極めて低い状況にあります。そこで、原水(浄水場入口)の定期検査については、浄水処理の工程管理と原水水質変動の中長期的な監視を目的として、浄水場出口(浄水池)の検査時期にあわせて、必要な項目について行うこととします。
また、事件、事故などにより水源汚染が明らかである(または、その可能性がある)場合には、日本水道協会岡山県支部や岡山三川水質汚濁防止連絡協議会などから迅速に情報が入る危機管理体制が構築されています。この場合、関連機関と連携を図り、汚染状況や原因物質を調査し、取水停止や浄水処理強化、あるいは臨時水質検査など、状況に応じた措置を講じることになります。
なお、仮に、上流域で水源が汚染された場合でも、豊富な河川流量により希釈効果が期待できるほか、オイルフェンス(表流水の場合)や河床のろ過機能(伏流水の場合)によって流入を防止できる場合もあります。さらに、万が一、施設内に流入した場合でも、魚類監視装置や水質計器により水質変化をリアルタイムに検知し、取水停止や浄水処理強化などの迅速な対応を図ることが可能となっています。
以下に、定期検査の具体的な検査内容を記述しています。詳細につきましては、別表2〜5を参照してください。
すべての浄水場で、浄水場の維持管理のために1日に1回以上検査を行う色及び濁り並びに消毒の残留効果(残留塩素)について、浄水で1日に1回以上行います(水道法施行規則第15条第1項)。原水では、消毒剤注入前であるため、色及び濁りの検査について、1日に1回以上行います。
すべての浄水場で、浄水では基準表(用語解説を参照)の50項目について、消毒剤注入前の原水では消毒副生成物である基準表中20〜30と47を除く38項目について、検査を行います。ただし、検査頻度は検査項目によって異なります。
岡山浄水場、津山第一浄水場及び津山第二浄水場では、以下の頻度とします。
まず、毎月実施すべき項目として、浄水では基準表中1、2、37、45〜50の9項目、原水では基準表中1、2、37、45、46、48〜50の8項目について、それぞれ1箇月に1回行います。
さらに、浄水では基準表中22、24、26、28、29の5項目についても、消毒副生成物の監視として独自に強化し、1箇月に1回行います。
その他の項目については、検査の省略や回数の減ができる場合であっても省略や減を行わず、浄水と原水でそれぞれ3箇月に1回行います。ただし、臭気物質である基準表中41、42の2項目については、この検査とは別に、原因物質を産出する生物の発生が見込まれる期間(概ね、6月から9月まで)は独自に強化し、浄水と原水でそれぞれ1箇月に2回行います。
総社浄水場では、基本的には他の浄水場と同様に考えますが、伏流水を取水して緩速ろ過処理を行っているという特徴から、以下のとおり一部変更して行います。
ろ過池の状態の確認に有効な基準表中36については、浄水と原水でそれぞれ1箇月に1回行います。
また、臭気物質である基準表中41、42の2項目については、発生の可能性が低いため、3箇月に1回、その他の項目とあわせて行います。
目標表(用語解説を参照)には30項目(ただし、6、7及び11は欠番のため27項目が有効)が規定されています。
このうち、当企業団では消毒剤として目標表中12を使用していないため、関係する目標表中10、12の2項目を除く25項目について、各浄水場系統において以下の頻度で検査を行います。
まず、目標表中15(農薬類102項目)のうち検査態勢の整っているもので、かつ、流域における使用状況(防除歴)や過去3年間の検出結果に基づいて選定した項目について、その農薬が使用される時期に、各浄水場の浄水と原水でそれぞれ1箇月に1回行います。このとき、選定した項目と一斉分析が可能な項目についても、あわせて検査を行います。
残る24項目のうち、浄水ではすべての項目を、消毒剤注入前の原水では消毒に関係する目標表中13、14、16、並びに水道施設の健全性を判断するための目標表中28を除く21項目について、それぞれ1年に1回行います。さらに、目標表中13、14、28の3項目については、水温上昇などにより検出されるおそれが高まる夏季にも浄水で1回(1年に計2回)行います。
すべての浄水場に原虫類の除去に有効とされるろ過設備が整備されていることから、クリプトスポリジウム等原虫類及びその指標菌(大腸菌MPN、嫌気性芽胞菌)の検査を、原水で1年に1回行います。また、クリプトスポリジウム等原虫類の検査については、浄水でも1年に1回行います。
すべての浄水場で、維持管理のため独自にアンモニア態窒素の検査を、原水で1箇月に1回行います。
すべての供給地点において、残留塩素については計器を用いた自動測定により常時監視を行います。
また、すべての末端供給地点及び配水池系統ごとに選定した地点では、色及び濁りについても計器を用いた自動測定(色度及び濁度として測定)により常時監視を行います。その他の供給地点における色及び濁りの検査は、毎月検査にあわせて1箇月に1回、色度及び濁度として検査を行います。
詳細につきましては、別表1(PDF:63KB)を参照してください。
すべての供給地点において、基準表の50項目すべてについて検査を行いますが、検査頻度は供給地点の位置や検査項目によって異なります。
初めに、各浄水場系統の末端供給地点において、以下に定める頻度で行います。
まず、毎月実施すべき、基準表中1、2、37、45〜50の9項目について、1箇月に1回行います。
さらに、基準表中22、24、26、28、29の5項目についても、消毒副生成物の監視として独自に強化し、1箇月に1回行います。
その他の項目については、検査の省略や回数の減ができる場合であっても省略や減を行わず、3箇月に1回行います。ただし、基準表中41、42の2項目については、浄水場浄水で行った検査の結果が基準値の1/5を超えるごとに、末端供給地点でも確認検査を行います。
次に、すべての浄水場の系統の末端以外の供給地点においては、以下に定める頻度で行います。
まず、毎月実施すべき、基準表中1、2、37、45〜50の9項目と、消毒副生成物の監視として独自に強化している基準表中22、24、26、28、29の5項目については、それぞれ1箇月に1回行います。
また、検査回数の減などができない基準表中9、20〜30の12項目のうち、基準表中9、20、21、23、25、27、30の7項目と、過去3年間に基準値の1/5を超えて検出された項目(具体的には、岡山浄水場では基準表中32、39、総社浄水場では基準表中36、38、39)については、それぞれ3箇月に1回行います。
その他の項目については検査回数の減に関する要件を適用しますが、判定では3年に1回まで減ずることができる場合においても、1年に1回行います。ただし、基準表中41、42の2項目については、浄水場浄水で基準値の1/5を超えた場合、末端以外の供給地点においても検査を行います。(なお、検査回数の減の可否を評価する値は基準値の1/5ですが、基準表中43については水道法に基づいた検査方法の定量下限値が基準値の1/4であるため評価ができません。その一方で、一定の場合には給水栓以外での水の採取が可能となる項目にも該当し、当企業団では浄水場出口(浄水池)と末端供給地点の両方で法定回数を満たす頻度で検査を行うことから、これらの検査で代用できるものと判断し、末端以外の供給地点においては1年に1回行います。)
なお、平成21年度から追加された基準表中15、平成22年度から基準値が強化された基準表中3については回数の減の可否を評価できないため、3箇月に1回行います。
各浄水場のすべての供給地点において、水道施設の健全性を確認するための目標表中28について、細菌活動が活発になる夏場に1回、その系統の毎月検査にあわせて行います。また、各系統の末端供給地点においては、その検査とは別の時期にもう1回(1年に計2回)行います。
さらに、各系統の末端供給地点においては、消毒副生成物である目標表中13、14の2項目についても、浄水場浄水の場合と同じ理由で1年に2回(浄水場浄水と同じ時期に)行います。
水質検査の結果が基準値を超過した場合、または以下に示す場合には、法令等や独自に作成した「危機管理マニュアル」に基づいて取水・送水の停止等の適切な措置を講じるとともに、必要な水質検査を実施します。
また、基準値以下であっても、検査回数の減などの適用要件から外れた場合には、年度途中においても適用を解除するなど、適切な対応を行います。
水質検査は、原則として厚生労働省が法令等で定める水道水の検査方法に準じ、浄水課水質管理班が行います。
原則として、法令等で定められた定量下限値や変動係数に基づいて検査を行います。
なお、定量下限値は基準値または目標値の各1/10の濃度(ただし、基準表中43については基準値の1/4の濃度、目標表中15についてはそれぞれの成分ごとに定められた濃度)に、また、変動係数については項目ごとに個別に定められています。
標準作業手順書に従って水質検査を行うことで検査結果の不確かさを減らし、検査精度が向上するように努めます。
さらに、厚生労働省等が行う外部精度管理に参加し、信頼性の保証に努めます。
この検査計画は、対象となる過去3年間の水質検査結果を基に見直しを行い、事業年度開始前にホームページ上で公表します。
また、水質検査計画に基づいて行った水質検査の結果は、供給している当該構成団体に速やかに送付します。
さらに、平成21年度の検査結果について、年度終了後に各浄水場を単位とした集計作業を行い、ホームページ上で公表します。
関係市町村等と連携し、取水・送水の停止等を含む迅速かつ適切な対応を行います。
岡山県生活衛生課、日本水道協会岡山県支部などの関連機関と積極的に情報交換を行い、精度の高い情報の収集に努めます。
また、必要に応じた現地調査や水質検査についても迅速に行い、浄水処理の徹底に反映させていくとともに、関係市町村等からの求めや必要性に応じた情報提供にも心がけてまいります。
平成22年1月、岡山市水道局、倉敷市水道局とそれぞれが所有する水質検査機器、器具、検査試薬等を相互利用する「水質検査機器の相互利用に関する協定」を締結しました。これにより、不測の機器故障への対応、緊急を要する検査等が可能となり、より安定的な水質検査体制を確立し、さらなる安心と安全を確保することができます。
当企業団が行う用水供給事業において、浄水場で浄水処理した水道用水を、需用者(構成団体)へ供給している引き渡し地点を供給地点と呼び、水道事業でいう給水栓に相当します。
供給地点は、水系ごとに浄水場から最も遠い「末端供給地点」と、その手前の「末端以外の供給地点」とに分類しています。
安全性や性状の観点から、水道水が有すべき水質の要件として「水質基準に関する省令」(平成15年度厚生労働省令第101号)の表(本文中では、「基準表」と表現しています。)に掲げられた項目で、逐次改正されています。
現状では水質基準として定めるには至らないまでも水道水質管理上留意すべき項目として位置づけられているもので、「水質基準に関する省令の制定及び水道法施行規則の一部改正等について」(平成15年度健発第1010004号)の別表(本文中では、「目標表」と表現しています。)に掲げられ、逐次改正されています。
衛生上の観点から、水道水には塩素消毒を行うことが義務づけられています(水道法施行規則第17条第1項)。
しかし、クリプトスポリジウムとジアルジアという2種類の原虫についてはこの消毒剤への耐性があることが知られており、これらを総称して「クリプトスポリジウム等原虫類」と呼んでいます。この原虫類に対しては消毒効果が得にくいため、汚染の可能性(リスクレベル)に応じ、ろ過処理による除去または紫外線照射による不活性化などの対策が必要となります。
また、この原虫類による水源汚染の可能性の有無を判断する指標となるのが「指標菌」で、「水道におけるクリプトスポリジウム等対策指針」(平成19年健水発第0330005号)(本文中では「クリプト対策指針」と表現しています。)にその判断基準や対策などが定められています。
なお、「レベル4」とは「地表水を水道の原水としており、当該原水から指標菌が検出されたことがある施設」、「レベル3」とは「地表水以外の水を水道の原水としており、当該原水から指標菌が検出されたことがある施設」に該当し、ろ過設備の導入やろ過水濁度の管理徹底など、適切な対策が要求されます。
検査項目、検査頻度、採水地点の設定に関する考え方は、水道法施行規則第15条並びに関連通知「水質基準に関する省令の制定及び水道法施行規則の一部改正等並びに水道水質管理における留意事項について」(平成19年度健水発第1115002号)に示されています。
この中で、過去3年間の最大値が一定の要件を満たす場合には検査の省略や検査回数の減を行ってもよいことになっています。
一方で、各施設の実情を考慮し、法令等で規定された頻度を超えて独自に強化して行うものが「独自に強化した検査」です。
法令等(平成15年度健水発第1115002号)に基づき、滞留時間や調整池容量などを勘案しながら、調整池を単位としたエリアごとに1地点以上となるように選定した採水地点のことです。この地点では、1日1回以上検査を行うべき3項目(色及び濁り並びに消毒の残留効果(残留塩素))について、計器による連続自動測定を行っています。
採水は給水栓で行うことが原則ですが、厚生労働省通知(健水発第1115002号)では「一定の場合」には「給水栓以外での水の採取が可能」とされています。
この中で、「一定の場合」とは、「送水施設及び配水施設内で濃度が上昇しないことが明らかであると認められる場合であり、この場合には、浄水施設の出口、送水施設又は配水施設のいずれかにおいて採取をすることができる。」と規定されています。
[更新年月日:2010年3月29日]